ブレパ維持向上のコツ聴力
聴力の低下を予防するには?
コミュニケーションを積極的に

聴力低下でブレインパフォーマンスの低下リスクが増大
人間は、20歳を過ぎたころから徐々に聴力が低下していくと言われています。また、WHOによると、スマホや音楽プレーヤーなどを長い時間かつ過度に大きな音量で使用することによって、12歳から35歳の50%ほどが、聴力低下のリスクにさらされていると報告しています※1。聴力が悪化すると、他者とのコミュニケーションが取りにくくなり、結果として、欲求不満や孤立感、孤独感を感じやすくなってしまいます※2。悪化が進んで聴力に障害が生じると、社会的・感情的な幸福感が損なわれやすいことも指摘されています。
また、聴力の低下はブレインパフォーマンスにも影響を及ぼすことがわかっており、イギリスの医学誌「ランセット」の認知症予防・介入・ケアに関する国際委員会は、中年期に聴力が低下すると、認知機能低下のリスクが約2倍に増大するという調査結果を発表、聴力低下の改善がブレインパフォーマンス低下リスクの軽減に有効であることを指摘しました※3。
社会活動への参加で聴力低下を予防
聴力低下には様々な原因があり、中には治療ができるケースもありますが、加齢が原因の聴力の低下については、まだ確実な治療方法が確立されていません。聴力の低下に気づいたら、すみやかに耳鼻科を受診して検査を受け、必要な場合は、補聴器を利用しましょう。補聴器は聴力の低下を最小限に押さえ、毎日の機能を改善するため、特に聴力に問題のある高齢者の使用に適しています。
では、どうすれば聴力の低下を予防できるのでしょうか?WHOが発表した「高齢者のための総合ケアに関するガイダンス」では、聴力の低下を予防するためには、社会活動などを通じて積極的にコミュニケーションをはかることが大切であることが明記されています※4。
ストレスを感じない程度にスポーツや趣味、ボランティア等のグループに参加して他者とのコミュニケーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

※1https://www.who.int/news-room/detail/12-02-2019-new-who-itu-standard-aims-to-prevent-hearing-loss-among-1.1-billion-young-people
※2Wilson et al., 2017
※3Livingston G, et al. Lancet. 2017 Jul 19. pii: S0140-6736(17)31363-6. doi: 10.1016/S0140-6736(17)31363-6.
※4WHO Guidelines on Integrated Care for Older People (ICOPE),2017