ブレパ維持向上のコツ高血圧
血圧の管理はブレインパフォーマンスにどう影響するの?
高血圧はブレインパフォーマンス低下の要因になります

中年期の高血圧はリスク大
「人は血管とともに老いる」という有名な言葉があります。この言葉のとおり、人間の血管は加齢とともに劣化が進みますが、高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の劣化が加速してしまいます。特に中年期に高血圧になると、高齢期でのブレインパフォーマンス低下のリスクが高くなることがわかっています※1。高血圧は喫煙と並んで日本人の生活習慣病による死亡に最も大きく影響する要因であり、日本人の2人に1人が高血圧症であると言われています※1。
では、具体的に血圧がどのくらいになると「高血圧」と診断されるのでしょうか?日本高血圧学会が定める高血圧診断基準では、診察室での収縮期血圧(最大血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(最小血圧)が90mmHg以上の場(140/90mmHg)を高血圧と診断されます。また自宅で測る家庭血圧の場合は、診察室よりも5mmHg低い基準を目安にします。
※1厚生労働省.平成29年国民健康・栄養調査.第55表 高血圧症有病者の状況 - 高血圧症有病者の状況、年齢階級別、人数、割合 - 総数・男性・女性、20歳以上
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450171&tstat=000001041744&cycle=7&tclass1=000001123258&second2=1高血圧の予防には減塩が不可欠
高血圧は、健康的な食事を摂る・適正体重を維持する、十分な量の運動を行うなどして、ライフスタイルを改善することによって予防することができます。特に注意したいのは食塩の摂り過ぎです。食塩を摂り過ぎると体の塩分を薄めるために血液中の水分が多くなり、結果として血圧が上がってしまいます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、食塩摂取量の上限は成人男性で8g未満、成人女性で7g未満、高血圧予防・治療には1日6g以下が推奨されています。※2。1日の食塩摂取量がこれを上回っている人は、メニュー選びや調理方法、味付けを工夫して、減塩を心がけるようにしましょう。なお、食塩摂取量を減らすのと同時に、腎臓からの食塩排出を促すカリウムを多く含む野菜や果物、大豆製品を意識して食べるようにすると、さらなる減塩効果が期待できます。
※2日本人の食事摂取基準(2015年版)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041733.html血圧が下がらない場合は、適切な治療を
ライフスタイルを改善しても血圧が下がらない場合は、適切な治療を受けましょう。一般的な高血圧の治療では、ライフスタイルの改善を行うと同時に、降圧薬を利用して血圧コントロールをしていくことになります。血圧を下げる降圧薬には様々な種類があり、医師は患者の血圧値や状態、その他の病気の有無などによって使用する薬を決め、処方します。いったん服用を始めたら、医師の許可なく勝手に服用を止めないようにすることが大切です。
高血圧は自覚症状がほとんどないため、症状が進むまで気づかないことが多いため、「サイレントキラー」と呼ばれることも少なくありません。少しでも早めに高血圧に気づくことができるよう、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。また、家庭用血圧計を購入して、自宅で毎日血圧を測るようにすることも高血圧の予防に有効であると言われています。