ブレパ維持向上のコツ社会的活動
社会的活動ってどうやって参加すればいいの?
まずは地域のコミュニティに参加してみましょう

孤独感が認知機能を低下させることも
健康寿命のためには「栄養(食・口腔機能)」「運動」「社会参加」が必要ですが、このうち「社会参加」の側面が弱っていくと、心身の様々な側面がドミノ倒しのように弱まっていく傾向があります。年齢に関わらず、仕事やボランティア活動、地域活動を通じて、積極的に社会と関わりを持ち続けることが、心身の健康には欠かせないのです。
特に定年退職すると、それまで会社や仕事を通じてつながっていた人たちとの交流が途絶えがちになり、社会参加の機会が激減、それを機にブレインパフォーマンスが低下してしまうことも珍しくありません。実際、ある研究では、社会的離脱は高齢者を認知障害および認知症のリスクが高い状態にすることが示されています※1。また、社会参加の減少、社会的接触の頻度の低下、孤独感が認知症の発症率の上昇と関連していることも研究で示されています※2。
ブレインパフォーマンス維持のためにも、現役世代のうちからボランティアや自治会活動などの地域活動に積極的に参加して、いろいろな切り口で社会とのつながりを作っておくことが大切です。特に心がけたいのが、地域コミュニティへの参加です。今は特に必要がなくても、いつかは介護サービスなど、自治体のお世話になるときがやってくるかもしれません。そんなときのためにも、地域のコミュニティに積極的に参加してネットワークを作っておきましょう。ひょんなことがきっかけで新しい友だちができたり、自分の知識や経験、特技が活かされたりするかもしれません。

積極的な社会参加で認知機能の活性化を
社会参加の機会がなくなってしまうと、人は自宅に引きこもりがちになってしまいます。ある海外の研究では、社交ダンスをする人は認知症になる危険性が0.24倍に減るとされています※3。みなさんも、以下に紹介する5原則を参考に、積極的な社会参加をし、ブレインパフォーマンスの維持を図りましょう。
<引きこもり生活を防ぐ5原則>
同じ趣味を持つ友人をみつける
同窓会やOB会にはできるだけ出席する
細く長く続けられる仕事やボランティアを見つける
住んでいる地域の活動に参加してみる
常識の範囲内で男女の交流を大切にする

※1Cherry et al., 2011 2)Fratiglioni et al., 2004
※2Fratiglioni et al., 2004
※3Verghese J et al. N Eng J Med 348:2508-2516(2003)