知ることからはじめよう、脳の健康。
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導入事例大分先端画像診断センター様
導入紹介インタビュー

大分大学医学部脳神経内科 木村成志先生、
大分先端画像診断センター 金子憲一郎事務長

「のうKNOW」は脳の健康度チェックや健康寿命の延伸に役立つツール

大分先端画像診断センター(左)木村成志先生(右)金子憲一郎事務長

大分県別府市にある脳ドック施設・健診センターの『大分先端画像診断センター』。最先端の画像診断機器と専門医が揃い、PET/CT装置によるがん検診や3T-MRI装置による脳ドック、軽度認知障害の早期発見を目指すMCIドックなど、さまざまな人間ドックを行っています。

そんな大分先端画像診断センターでは、ゲーム感覚でブレインパフォーマンス(脳の健康度)をチェックできる「のうKNOW」を希望者へ実施しています。「のうKNOW」を実施した方の声や、「のうKNOW」の魅力について伺いました。

「のうKNOW」を導入してみようと思った背景を教えてください。

元々、大分県臼杵市の「臼杵市の認知症を考える会」と協働で行っている認知症介入研究で「のうKNOW」を活用していることがきっかけでした。「のうKNOW」を使ってみて、まだ認知症になっていない時期に自身の脳の状態を知り、脳の健康について考えるきっかけを作るのに向いているのではないか、という手応えがあったのです。

大分先端画像診断センター 木村成志先生

大分先端画像診断センターでは、他の臨床心理検査(MMSE、長谷川式簡易知能評価スケール、ウェクスラー式記憶検査)を実施していますが、私たちはより早い段階でブレインパフォーマンスが低下している方を見極めて、脳をより健康な状態へと導きたいと考えていました。そのきっかけに「のうKNOW」が使えると感じたのです。

また、大分先端画像診断センターでは生活習慣による認知症の予防法を啓発したいと考えていました。「のうKNOW」は、テストで脳の健康度をチェックできるだけでなく、ブレインパフォーマンス維持・向上のコツを記した専用のパンフレットを用いて、生活習慣指導とセットでご案内しやすいと感じたのも導入した理由の一つです。

大分先端画像診断センターでは、どのように 「のうKNOW」を活用されていますか?また、運用面で工夫している点があれば教えてください。

院内に3カ所「のうKNOW」専用のPC端末を設置しており、希望した方にご案内しています。実施前にはスタッフが簡単なインストラクションを行ないます。これまで65歳以上の高齢者で、健康な方もしくは脳の健康に不安のある方30名ほどに実施しました。1回のテストで脳の健康度をチェック、ブレインパフォーマンスについて意識していただくのは難しいため、3カ月から半年に1回の頻度で、定期的に「のうKNOW」を行うような運用体制を構築しています。幸い、実施者のリピート率は96%以上と高水準です。

また、認知機能検査に抵抗感を示す方に対しても、初めに「のうKNOW」を脳トレ感覚で使っていただくことで、実施者が抱くテストや検査へのハードルを下げることができました。「のうKNOW」実施後に認知機能検査を行うと、スムーズに移行いただけていると感じています。

今回ご活用いただき、「のうKNOW」の魅力はどんなところにあると感じましたか?

一般的なタブレット式の認知機能検査は、結果画面に点数や物忘れの恐れがあるといった表現が用いられ、抵抗感を示す参加者が多くいるのが課題でした。しかし「のうKNOW」はあくまで脳の健康度チェックであり、評価もA、B、Cなどアルファベットで親しみやすく、脳年齢が表示されるのも面白い。認知機能検査と違いテストを受ける方の恐怖心を煽らず、ゲーム感覚でトライしていただきやすいことが魅力だと思っています。

また、「のうKNOW」の興味深いところは、集中力スコアがADL(日常生活動作)などの生活に関連する能力強化へのきっかけ作りにも活用できる可能性がある点です。ご存知の通り、生活における活動量が低下すれば、認知症などの疾患を発症させる可能性が高まります。集中力スコアが低下している方には、積極的に、料理や買い物などの家事を行なうことや誰かとコミュニケーションをとることなどアドバイスする際に活用しています。

また、「のうKNOW」の興味深いところは、集中力スコアがADL(日常生活動作)などの生活に関連する能力強化へのきっかけ作りにも活用できる可能性がある点です。ご存知の通り、生活における活動量が低下すれば、認知症などの疾患を発症させる可能性が高まります。集中力スコアが低下している方には、積極的に、料理や買い物などの家事を行なうことや誰かとコミュニケーションをとることなどアドバイスする際に活用しています。

「のうKNOW」の結果画面。集中力、記憶力の評価がアルファベットで表示される

また、「のうKNOW」の興味深いところは、集中力スコアがADL(日常生活動作)などの生活に関連する能力強化へのきっかけ作りにも活用できる可能性がある点です。ご存知の通り、生活における活動量が低下すれば、認知症などの疾患を発症させる可能性が高まります。集中力スコアが低下している方には、積極的に、料理や買い物などの家事を行なうことや誰かとコミュニケーションをとることなどアドバイスする際に活用しています。

「のうKNOW」の結果をどのようにフィードバックしていますか?また、BやCなどの評価が出た場合、どういう対応をされていますか?

実施者には結果画面を印刷した紙のレポートをお渡ししています。あわせてブレインパフォーマンス啓発冊子を使い、ブレインパフォーマンスを向上・維持させる具体的なコツ、生活習慣の改善方法などをお伝えするようにしています。

もしBやCなどの低い結果が出た場合や、定期検査ごとに実施者のブレインパフォーマンスが下がっている場合、アフターケアも行っています。

「のうKNOW」を実際にやってみた実施者の感想はいかがでしたか?また担当者として感想があれば教えてください。

ほとんどの方にストレスなく実施いただけました。特に「のうKNOW」は認知機能検査ではないので、皆さんもやりやすいのかなと思います。健康な方などは「脳トレ感覚で使いたい」ともおっしゃっていました。判定結果もわかりやすいので、ご自身の納得感もあり、定期的にブレインパフォーマンスをチェックすることで脳の健康への意識も高まっているように感じます。

大分先端画像診断センター 金子憲一郎事務長

記憶力の評価は高いけど、集中力や注意力の評価が低いケースも見られました。特に注意力が落ちている人は、物事に対する意欲が低下しているな、と個人的に感じました。

いまも検証を続けていますが、集中力や注意力の評価が低い人に関しては、運動や食事、睡眠など適切な生活習慣の指導を行っていきたいと思います。その方の意欲や活動量を上げるようにすることで、その結果として集中力や注意力だけでなく脳の健康度を維持・向上できるのではないかと考えております。

大分先端画像診断センター 金子憲一郎事務長

大分先端画像診断センター 金子憲一郎事務長

「のうKNOW」を活用した脳ドックによって、今後どのようなことを実現できると期待していますか? また活用してよかった点はありますか?

先述したとおり、「のうKNOW」を脳の健康度が低下した方をスクリーニングするために活用していきたいですね。適切な生活習慣の指導を行うことで、脳の健康度の改善が見込めるからです。「のうKNOW」を使ってご自身の脳の健康度をチェックすることをきっかけに、その後の健康増進につなげることができれば、結果的に認知症を予防し、進行を遅らせ、重症化を防ぐこともできるのではないかと期待しています。

そもそも検診は受けてもらえなければ意味がありません。認知機能検査に関しては嫌がる方も多いので、そういう方へのとっかかりとしても「のうKNOW」は十分活用できると感じました。

また、今後は高齢者だけでなく40代〜50代の方にも「のうKNOW」を実施したいですね。脳の健康度チェックと生活指導をセットにすることで、受けてくれる人ももっと増えるのではないかと思っています。さらに生活習慣の指導に介入することができれば、より多くの人の脳の健康を維持できるのではないかと考えています。

「のうKNOW」(https://nouknow.jp/)は、疾病の予防・診断を目的としたものではありません。

取材・文:中森りほ 編集:ノオト